カリン・マルメロとセイヨウカリンの品種一覧 特徴や違いなどをわかりやすく解説!

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カリンとマルメロとセイヨウカリンはバラ科サクラ亜科(モモ亜科)ナシ連(リンゴ連)ナシ亜連(リンゴ亜連)果樹です。カリンはカリン属、マルメロはマルメロ属に分類されます。セイヨウカリンメスピルス属(セイヨウカリン属)の果樹です。

この三つの果樹は見た目が似ているだけでなく名前もそっくりなので誤解されやすいです。実はそれぞれルーツ・原産地が異なります。このページでは違いが確実にわかるように説明しています。

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カリン

カリン-花梨の木-Chinese-Quince-2016年10月23日-GoodGDN
カリン-花梨の木-Chinese-Quince-2016年10月23日-GoodGDN

カリンはバラ科シモツケ亜科ナシ連ナシ亜連カリン属カリン種の果樹です。中国東部原産の果樹で学名はPseudocydoniaプセウドシドーニア sinensisスィネンスィスです。英語でChineseチャイニーズ Quinceクインスと言います。中国語では木瓜ムーグアです。韓国語では모과モグァ(木瓜)と呼ばれ砂糖で甘く味付けしたモグァ茶が有名です。日本では昔から民家の庭先に植えられることもあるなじみのある果樹です。葉の縁取りが鋸状になっていることでマルメロと区別されます。その幹は家具に用いられ、果実はリキュールや砂糖漬けに使います。収穫直後の果実はたいへん硬く非常に渋みが強いので生食には向きません。霜が降りると果肉が軟らかくなります。

カリンの品種

  • みやこ・・・小型の盆栽種。
  • 黄覆輪きんぷくりん・・・盆栽種。花びらに白い斑が入る。

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カリン栽培のメリット

自宅の庭木としてカリンを育てる利点は鑑賞用としても薬膳食用としても有用という点が挙げられます。花や果実の見た目はとても美しいので観賞価値が高いです。私も実際に2020年に木が枯れるまでカリンの木を育てていました。

木を育てること自体はとても簡単です。ただし、病害虫のオンパレードなので皮まで食用として利用するなら農薬の使用または袋掛けが必須です。

カリン酒は渋みが強く、漬けてから2年目の冬でもまだ渋みが少々残っているようでした。果実酒用のお酒に漬けてから3年目あたりにやっとまろやかになりました。ジャムを作ると果肉のシャリシャリ感が気になりました。

育てる価値は漢方薬のような民間療法の効果を信じるかどうかで決まってくることでしょう。あの渋みはポリフェノールの一種であるタンニンなどが原因です。ビワの種子と同じで有毒成分のアミグダリンが果肉に含まれています。農水省はアミグダリンを食べないように注意喚起しています。人がカリンを生で食べられないことには理由があるのです。

果実にはビタミンCが含まれていますが加熱する場合は調理過程で失われてしまいます。お酒や砂糖などに実を浸す場合も長期保存によりビタミンCが失われるので効果は薄いと思います。

カリン栽培のコツ

他の果樹と比べて生育が遅いのでまとまり良く育ちます。枝と枝の間隔が狭くなりがちなので初めのうちは支柱を立てて誘引したほうがよいと思います。5月になるとアブラムシや毛虫の発生がとても多くなり、ナシの木と同様に病気に罹りやすいです。私が観察した限りではカリンの木の性質はリンゴよりもナシの木とよく似ています。枝や葉の生え方や艶、葉の色がそっくりです。病気の罹り方もナシの木とよく似ています。

5月中旬あたりに1回殺虫剤を散布したほうが良いです。カリン用の果実袋が無いためブドウ用などの袋掛けで代用したいですね。果皮は害虫の分泌物ですす病が発生したり病気になりやすいです。

収穫は外側の皮が黄色くなってからにしたほうが良いと思います。

栽培レポート

私が実際に育てた様子をお伝えしています。

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マルメロ

マルメロ-榲桲-Quince-Cydonia-oblonga
マルメロ-榲桲-Quince-Cydonia-oblonga Photos by Snejina Nikolova

マルメロはバラ科シモツケ亜科ナシ連ナシ亜連マルメロ属マルメロ種の果樹です。中央アジアとコーカサス地方に自生しています。英語でQuinceクインスと言います。中国語では榲桲wén poです。学名はCydoniaスィドーニアー oblongaオーブローンガでカリンとは異なる植物です。葉の縁取りが鋸状ではないことでカリンと区別されます。中国では新疆ウイグル自治区で生産されています。

マルメロの品種一覧

  • Agvambari・・・小さな楕円形。よい品質の果実を生産し頼りになる品種。自家受粉する。トルコ原産。
  • Champion・・・Mid-season 自家受粉する。
  • Ekmek・・・とてもよい品質の大きく形の整った果実を生産します。自家受粉する。トルコ原産。
  • Iranian Quince・・・Mid-season アメリカからイギリスに紹介。甘くてすばらしい味わい。調理しても荷崩れしない。自家受粉する。イラン産。
  • Isfahan Mid-season・・・イスファハンは古代都市から名づけられた。高品質。時間受粉する。イラン産。
  • Meeches Prolific・・・Mid-season 洋ナシ形の整った信頼できる生産性。ジェリーづくりに素晴らしい。アメリカ原産。
  • Portugal・・・Mid-season 自家受粉する。
  • Seibosa・・・Mid-season 自家受粉する。セルビア原産。
  • Shams・・・Mid-season 自家受粉する。イラン原産。
  • Sobu・・・高品質で信頼でき生産性がよい。とても大きく洋ナシ型をしています。トルコ原産。
  • Vranja・・・Mid-season イギリスでもっとも有名な品種。人目を引き付ける大きくて洋ナシ型。生産性は軽い。セルビア原産。

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セイヨウカリン(メドラー)

セイヨウカリン-medlar-Mespilus-germanica
セイヨウカリン-medlar-Mespilus-germanica Photo by siala

セイヨウカリンは学名をMespilusメスピールス germanicaジェルマーニカと言ってカリンとは別の果樹です。英語でmedlarメドラーと言います。イラン、南西アジア~南東アジアに分布しています。日当たりと若干乾燥した場所で穏やかな気候、弱酸性の土を好みます。メドラーの木は紀元前700年前にギリシャに、紀元前200年前にローマで紹介され古代から中世までは食べ物が少ない冬に貴重な食糧となる重要な果樹でした。

葉は大きな楕円形で長さ8cm~15cm、幅3~5cmくらいあります。葉裏に毛が密に生えていて秋には紅葉して落葉します。

花は5枚の白い花びらを持っています。花びらはハート形をしています。花の直系は6cmと大きいです。

果実の表面は秋になると赤褐色になります。果肉はリンゴのような色をしています。果実は硬くて酸っぱいです。霜が降りると果肉が茶色くなって柔らかくなります。果実は生で食べることができます。英国では卵とバターを使いレモンカードに似たMedlarメドラー cheeseチーズを作ります。

ナシやサンザシ、マルメロなどに接木できます。

メドラーの木は2021年の時点で日本で流通していないようです。

一見腐ったような熟れた果肉の外見から作家はメドラーをネガティブな比喩として用いてきました。シェイクスピアは「ロミオとジュリエット」に登場する愛人RosalineロザリンのことをMercutioマキューシオに「あの愛人はあの果物と同じだ。メイドがメドラーと言っている。おおロミオ。彼女はまるで・・・まるで、オープナー(お尻の大きく開いたメドラー)、ポペリンゲ梨と同じだ!」と喩えてさせています(※私の翻訳です)。ミゲル・デ・セルヴァンテスも「ドン・キホーテ」でメドラーの木について触れています。トーマス・デッカーは演劇「The Honest Whore」の脚本で「私は彼女のことをほとんど知らない。彼女の月のような頬の美しさを見た時から私の心は奇妙な月食のように蝕まれた。女性はメドラーのようだ。すぐに熟したかと思うとすぐ腐る。」と書いています(※私の翻訳です)。

セイヨウカリン(メドラー)の品種一覧

代表的な品種は次の通りです。

  • Dutch・・・別名GiantまたはMonstrous。
  • Hollandia・・・生産性高い。
  • Bredase Reus・・・ 自家受粉する。オランダ原産。
  • Breda Giant・・・大果。甘くて風味良い。
  • Iranian・・・  晩生。イギリスが生み出した高品質で生食に適したメドラー。自家受粉する。
  • Large Dutch・・・  晩生。大実で調理に優れますが、生食はプアーな食感です。オランダ原産。
  • Macrocarpa・・・  晩生。自家受粉する。オランダ原産。
  • Nottingham・・・  晩生。イギリスでベストなかりんと知られている。よい風味で熟すと裂果して日持ちしない。イギリス原産。
  • Royal・・・  Late  自家受粉する。オランダ原産。
  • Large Russian・・・大実で風味良い。
  • Westerveld・・・  Late  自家受粉する。オランダ原産。
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カリン・マルメロ・セイヨウカリンの違い

日本ではマルメロのことをセイヨウカリンと言う人もいます。果実の見た目は少し似ているものの、原産地が全く異なります。セイヨウカリンはまったく見た目が違います。カリンやマルメロの品種について流通している苗木はそれぞれ1種類程度かと思いますが、実際にカリンとマルメロの産地である長野県に行ってみると、カリンにも複数の品種があり果実の大きな品種があるように思いました。

引用元

更新履歴

  • 2021年5月27日 ページをhttps://fruitplantsvariation.blogspot.com/p/blog-page_15.htmlから移転しました。セイヨウカリンについて詳しく述べました。
  • 2016年12月11日 ページを更新しました。

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